茂来学園から要らないと言われた男

今後の誰かの参考になるかもしれないから、

茂来学園中等教育学校教職員募集にて、

エントリーシートで不採用だった話。

 

まず、茂来学園の宣伝から。

茂来学園は佐久穂町の旧佐久東小学校の跡地を利用した私立の小学校。

オランダで行われているイエナプラン教育を

日本で具現化した初めての小学校だ。

ホームページはこちらから。

 

過去、私が長野県PTA連合会に関わっていた頃に、

情報発信部として私が作成した動画も貼っておく。

今は、校長も変わっているし、運営の方法も変わっていると思う。

あくまでも参考として。

さて、佐久穂町にとっても、日本にとっても、

教育のバリエーションを広げるうえではとても重要な役割を担っている学校なのだが、

それが、すでにある中学校と新たに高等学校を加えた中等教育学校を、

佐久穂町の旧佐久西小学校跡地に新設することが決まっている。

 

私は佐久穂町議会議員を落選したこのタイミングで、

やはり佐久穂町の教育と関わりたくて、

ちょうど教職員の募集が出ていたのでそれに出願した。

内容は、テキストデータ原文ママで以下の通り。

【募集要項】
■ 募集職種
・専任教諭・非常勤講師(国語・社会・理科・英語・体育・技術・情報・美術・家庭/探究・ワールドオリエンテーション/校内環境サポートスタッフ)
■ 勤務開始
2026年4月1日
■ 応募条件
・中学校・高等学校いずれかの教員免許を有する方
・本校の教育理念に共感し、学校づくりに主体的に関わる意欲のある方
■ 勤務地
長野県南佐久郡佐久穂町(茂来学園中等教育学校)
■ 採用スケジュール
1. エントリー受付(2025年5月24日〜6月8日)
2. 書類選考結果通知 6月13日
3. オンライン面談・学校説明 6月16日の週
4. 二次選考(対話型面談・模擬授業)6月23日の週
5. 最終選考(現地面談・学校見学)7月7日の週
■ 待遇・福利厚生
・給与:経験・能力を考慮の上、学園規定により決定
・社会保険あり※勤務時間に準ず
【応募方法】
① エントリーシートの提出
② 履歴書・志望動機書の提出
※詳細は本校ウェブサイトで近日中に公開予定です。
【中等教育学校】スタッフ募集について
2025.05.21
学校法人茂来学園では、2026年4月の開校を目指し、中等教育学校の設立準備を進めています。
(現在、長野県に設立認可を申請しており、昨年一次審査を通過し、本年10月に二次審査を受ける予定です)
この新しい中等教育学校でご勤務いただけるスタッフを募集いたします。
下記の募集要項をご確認のうえ、エントリー受付期間内にご応募ください。
皆さまのご応募を、心よりお待ちしております。
■ 募集職種
① 専任教諭・非常勤講師
担当教科:
・国語(中・高)
・社会(中学校「社会」、高等学校「地理歴史・公民」)
・理科(中・高)
・外国語[英語](中・高)
・保健体育(中・高)
・技術(中)
・情報(高)
・美術(高)
・家庭(中・高)
② 校内環境サポートスタッフ
 学校内外の空間整備、備品管理、修繕作業のほか、子どもたちと関わりながら
 学校生活の「舞台」を支える役割を担っていただきます。
 創意工夫とホスピタリティをもって学校づくりに関わりたい方を歓迎します。
■ 勤務開始
2026年4月1日
■ 応募条件
① 中学校・高等学校いずれかの教員免許を有する方(2026年4月までに取得見込みの方を含む)
  本校の教育理念に共感し、学校づくりに主体的に関わる意欲のある方
② 学校のビジョンに共感し、創造的・協働的に学校運営に関われる方
  教員免許は不要ですが、建築、電気設備、木工、農的活動などのお持ちのスキルを活かせる方歓迎
■ 勤務地
長野県南佐久郡佐久穂町 / (仮称)茂来学園中等教育学校
■ 勤務時間
フルフレックスタイム制
■ 試用期間
採用の日から6ヶ月
■ 休日
(1)日曜日(法定休日)
(2)土曜日
(3)国民の祝日に関する法律に定める休日
(4)学園創立記念日
(5)年末年始(12月29日から1月3日まで)
(6)その他必要と認めたとき
■ 選考の流れ
1. エントリー受付 [2025年5月24日 〜6月8日 17時]
2. 書類選考結果通知 [6月13日]
3. オンライン面談・学校説明 [6月16日の週]
4. 二次選考(対話型面談・模擬授業)[6月23日の週]
5. 最終選考(現地面談・学校見学)[7月7日の週]
■ 待遇・福利厚生
・給与:経験、能力を考慮の上、学園規定により決定
・社会保険あり ※勤務時間に準ず
■ 応募方法
① こちらのフォームから基本情報および小論文を入力し、期間内にご応募ください。
② ご自身のプロフィール写真を次の宛先(koubo@jenaplanschool.ac.jp)までメールでお送りください。
  メールの件名は「教職員募集(ご自身のお名前)」としてください。
■応募期間
2025年5月24日(土) ~ 6月8日(日) 17時
※小論文テーマは以下の通りです(いずれも1500字以内)
[専任教諭・非常勤講師]
 ・多様性を尊重する教育環境の構築において、あなたはどのような取り組みが必要だと考えますか。
  具体的な方法や経験を交えて述べてください。
 ・プロジェクト型学習を効果的に進めるために、あなたはどのような支援や工夫が必要だと考えますか。
  具体的な方法や経験を交えて述べてください。
[校内環境サポートスタッフ]
 ・学校の空間づくりにおいて、あなたが重視するポイントは何ですか。
 ・多様な価値観を持つスタッフと協働する際に、あなたが大切にしていることは何ですか。
※応募に関わるご相談等は、原則メールまたはお電話でのやり取りといたします。ご了承ください。
※選考に係る個人情報などは全て選考終了後に破棄いたします。その他の用途に使用することはございません。

そこで、私は早速エントリーをしたが、

結果、書類選考だけで不採用のメールが届いたというわけだ。

 

恥ずかしいけど、ひとつの基準になると思うので、

エントリーシートで提出した志願理由書と小論文を2つ掲載しておこうと思う。

もちろん、徳川家康の三方原の戦いあとの肖像画と同じ理由で。

【志願理由書】

 佐久穂町議会議員として研修やイベントへの協力要請、また長野県PTA連合会の動画編集部としての取材、由井ブルーベリー園への来園など、貴校にはさまざまな場面でお世話になっていました。また、イエナプランそのものはもちろんのこと、それを日本の教育に落とし込んでいく様子に、教育に関わるものとして、とても興味を持っていました。
 このたび2期務めた後、町議会議員選挙にて落選をし、再就職が必要となり、残り10年ほどの就業人生で、教育界やこどもたちと直接向き合うことを決心し貴校を志願いたしました。
 私の残り10年の就業人生におけるテーマは2つあります。
 ひとつは、この資本主義社会・民主主義社会においてこどもたちが「生きる力」を身につけるための、生活に直結した学びの実現です。手法としてのプログラム型学習、学習内容としての社会制度、政治経済知識、倫理観、価値観、そして技術としての情報伝達能力。それらをこどもたちが習得するための応援をしたいと思っています。
 もうひとつは、前者の範疇にもなりますが、主権者教育の充実です。現在の政治体制を身近なものとして理解することが豊かな社会を実現する出発点となります。こどもたちがそこに目を向け、政治を自分のこととして捉えるための知的好奇心の掘り起こしをしたいと考えています。

【小論文①】多様性を尊重する教育環境の構築において、あなたはどのような取り組みが必要だと考えますか。具体的な方法や経験を交えて述べてください。

 家族・学校・会社・地域・社会など、どういった集団であれその集団が強靭である場合、そこに所属する個同士が相互に共生関係を構築しています。所属する個が他者の価値を認め、かつ自分の価値を知り、それを他者に知ってもらうことで、共生関係がより強化されることがすなわち集団の強靭化に繋がります。そもそも多様性を尊重できない集団というのは、現実的にその点を軽視した結果、様々な問題点、たとえば教員不足やブラック企業など、を生み出しているように思います。
 そんな現代社会の中で、将来のためにこどもが学ぶべきは、他者を認め自分を知ってもらうための知識と技術の習得であろうと考えます。特に、青年期である12歳から18歳までの時期は、後に放り出される現代社会に対応するため、それに近い模擬的集団にて、身につけた知識と技術を活用するさまざま経験を積むべきです。さらに欲を言えば、現代社会に入ったこどもたちが、新たな集団の中で共生関係を強化することに寄与できる個となってくれることを願っていますし、そうなってくれるようなこどもへの関わりを私は持ちたいと思っています。
 私は、6年ほど長野県佐久市にある私立佐久長聖中学校で教員をしていました。そのうち5年間は、当時新設されたばかりのスキルアップクラスの担任を務めました。佐久長聖中学校は大学進学を目指す中学校で1学年4クラスの編成でしたが、経営上の事情もあって、進学クラスを3クラスとし、1クラスを特殊な技能を持った生徒が集まるスキルアップクラスとしました。野球部・ゴルフ部・剣道部などの強化部所属の生徒に加え、バレエ・ラブビー・ピアノなどの個人技能を磨きたい生徒も、そのクラスに所属していました。
 そういった特殊なクラスですから、当然問題が出てきます。その中で最も想定内であったのが、他クラスの一部の学力至上主義的考え方を持つ生徒による差別的発言や態度でした。正確に言うとそれは、本当の学力上位層が行ったわけではなく、どちらかと言うと学力向上が思うようにいっていない生徒たちによって行われていました。
 そこで、私が担任していたクラスでは「なぜ人は他者を貶めようとするのか」というメインテーマを常に内在させながら、他クラスの生徒との対談を計画したり、怒りについて学習したり、不安について話し合ったりと、様々な道徳的時間を設けました。おそらくその中で生徒たちは、他者を貶めるということは、自己保全の故であると、同時にいつでも自分に起こり得るものだと気づいてくれたのではないかと思います。
 さらに、佐久長聖中学校2・3年生は文化祭でクラス対抗の演劇コンクールを行うのですが、そのときも『アリとキリギリス』をモチーフにして、集団と個について話し合った結果をもとに劇化をしました。まさに、他者を認め、自分を知ってもらおうとする集団という考え方を、生徒たちが受け止めてくれた結果であると思いますし、全生徒や保護者の皆さんに、スキルアップクラスのあり方を示すことができたように思います。
 私の子育てに関する意識の興味関心の中心的なテーマがどこにあるのかを知ってもらうためにいくつかの経験を書きました。再度となりますが、多様性を尊重する教育環境に限らず、強靭な集団というのはヒエラルキーによる支配や明確な役割分化によって作られるものではなく、他者認知と自己表現による共生関係強化よって形作られると考えています。そういう意味では、貴校の教育はその可能性を大いに秘めているだろうと思っていますし、その中で私の個を発揮できればとも思っています。

【小論文②】プロジェクト型学習を効果的に進めるために、あなたはどのような支援や工夫が必要だと考えますか。具体的な方法や経験を交えて述べてください。
 プロジェクト型学習を効果的に進めるためには、教員である私の的確なファシリテーションが必要であることは理解しています。知識を充実させその技能を向上させるよう日々精進しなければならないことはもちろんですが、プログラム型学習の経験がほとんどない私はそれを語るのは正直難しいところです。
 なによりもプロジェクト型学習において難しいと思うのは、生徒による課題設定であると思っています。
 佐久長聖中学校で担任をしていたころ、道徳の時間に『ウルトラセブン』の42話「ノンマルトの使者」について取り扱いました。そのきっかけは、生徒の「図書室で本を借りてきたもののよくわからなかった」という生活記録の文章からでした。私としても、クラス内の問題としても、また発達段階としても、ちょうど正義について真剣に向き合うべき時期だと感じていたこともあり、50分という短い時間でしたが、ウルトラマンに関する知識の獲得や正義の不確実性・多様性を学び、それをもとにして生徒たちによる様々な意見交換や自己分析ができたと思います。
 しかしながら、それはたまたま、課題を設定するきっかけを私と生徒が得たのであって、このような事例が小さな奇跡であることを考えると、ますます生徒による課題設定と教育課程や発達段階の整合性が難しいと、改めて思い知らされるばかりです。
 また生徒による課題設定以外にも、答えの出ない問題についての対応にも難しさを感じます。難しいといっても、現実はこういった場面のほうが多いので、生きていれば避けては通れませんが。
 私としてはまず、ものごとを多角的かつ多面的に捉えようとする姿勢が必要だと考えています。
 かつて佐久穂町議会議員のときに、小・中・高・大人を交えて、地方議会を知ってもらうイベントを実施しました。クイズをしながら選挙権を持つ側だけではなく、被選挙権を行使する側の現実も知ってもらいました。多くの参加者は、違う立場の追体験ができて考え方が変わったと言ってくれました。このように、答えの出ない問題に向き合うための第1歩は、別の立場を知ることであると思います。それが増えていけば、さらに新たな世界が広がっていくことでしょう。その連鎖を起こすことがプログラム型学習の本質なのかもしれません。
 最後に、プログラム型学習で得たものを他者に伝えることも必要不可欠でしょう。この点については、現在の私でも様々なファシリテートができるのではと思っています。
 映画『ヒックとドラゴン』の最後のシーンを予想するとう道徳の授業で、結末を生徒に発表させたことがあります。残念ながら絵コンテを描かせたりする時間がなかったので、口頭での発表や意見交換のみになってしまいましたが、普段見ている映画やアニメ・小説家のいわゆる表現者がどのような意識を持ちながら表現に工夫を加えているかを体感したり、自分の表現との差を実感したりすることはできたと思います。このような経験を積み重ねることが、自分の表現の幅を広げる上で重要だと考えています。
 今の私は、プログラム型学習に対する知識・技能において十分ではありません。しかしながら、少なくとも、知らないと自覚している姿を生徒にしっかりと見せることと、今持っている知識や調査方法を生徒と共有しそれを広げることを常に意識していきたいと考えています。つまり、私も生徒同様の立場であるということです。さらに、そういった学びが連鎖していくという経験を生徒とともに味わえたら嬉しい限りです。

この程度のエントリーシートの内容では、

面接の機会すらもらえないという基準を示すことができるだろう。

 

いずれにせよ、面接にすら及ばなかったわけだから、

正採用ならまだしも、非常勤講師としてすら、

私は茂来学園から不要であると明言されたと理解するしかない。

きっと見る人が見れば、そりゃ不採用で当然と思われることだろう。

まぁ、これが私の限界なのだろうとは思う。

 

ついでだから、その後の、いわゆる「お祈りメール」も載せておく。

このたびは、学校法人茂来学園 中等教育学校スタッフ募集にご応募いただき、誠にありがとうございました。

慎重に選考を進めた結果、誠に残念ながら今回はご希望に添えない結果となりましたことをお知らせいたします。

今回の選考では、多様なご経験や想いをお寄せいただいた皆さまの中から、学校づくりの現在のフェーズと照らして慎重に検討させていただきました。
ご提出いただいた書類・小論文から、西部 元和
様の教育への真摯な姿勢が感じられ、選考を進める中で事務局としても多くの学びがありましたことに心より感謝申し上げます。

今後とも、皆さまのご活躍とご健康を心よりお祈り申し上げます。

西部元和は私の名前なわけだが、

名前の後に改行があるのがなんとも「あなたは不要です」感が出ていて、

それゆえに、「真摯」や「多くの学び」が空虚なワードに感じられて、

私としては凹み度MAXである。

 

私はいわゆる氷河期世代の人間だ。

今の人手不足の社会状況についても、

思うところが他の世代の人よりもたくさんあると自負している。

世代のせいにすることで自分を慰めることはできるけど、

根がネガティブなものだから、

やはり自分という人間に価値がないのだという結論に、

どうしても行き着いてしまわざるを得ない・・・。

 

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